【簡単解説】「Amazonファーマシー」ユーザー・薬局のメリットとは?利用方法を解説
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皆さんは、2023年1月26日より全国で運用が始まった「電子処方箋」を活用したことはありますでしょうか?
そんな中、翌年の2024年7月23日にAmazonが日本国内で新サービス「Amazonファーマシー」の開始が発表されました。
今回の記事では、Amazonファーマシーの概要に加え、ユーザー・出品者(薬局)の視点でメリット・デメリット・利用方法を解説をいたします。
出品者(薬局)として、Amazonファーマシーの利用資格、利用の流れについても解説をしておりますので、ぜひご参考ください。
目次
「Amazonファーマシー」とは
まず、Amazonファーマシーとは、Amazonショッピングアプリ上のアカウントから、電子処方箋を利用して、薬局によるオンライン服薬指導を受けた後、処方薬を自宅など指定の住所に配送、または薬局店舗で受け取ることができるAmazonが提供するオンラインサービスです。(アメリカでは2020年11月より導入開始)
従来の薬局の移動時間や待ち時間を短縮し、オンラインで処方薬を簡単に受け取れる便利なサービスです。
購入者にとっては、薬局での待ち時間を有効活用できるだけでなく、外出や人との接触を避けることで感染リスクの低減や自宅などプライベートな場所で服薬指導を安心して受けることができます。
出品者(薬局)にとっては、新たな顧客層を開拓できる画期的な仕組みとなります。
概要は下記URLの「Amazonの購入者サイトのヘルプページ「Amazonファーマシーとは」にも記載がございますので、公式サイトの説明を参考にしたい場合にはこちらをご参照ください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=Tj6jyj2MIhDQwys91H
ユーザーにとってのAmazonファーマシーの魅力
日頃、薬局で直接お薬を受け取っている方にとっては、オンラインでの服薬指導やお薬の配送について、「本当に大丈夫なのだろうか⋯」など不安を感じる点があるでしょう。
もちろん、対面の良さもありますが、オンラインだからこその良さもありますので、ここではオンライン服薬指導〜お薬の配送を「Amazonファーマシー」で利用するメリット・デメリットを解説いたします。
<Amazonファーマシーを利用するメリット>
・Amazonアカウントで利用可能
すでにお持ちのAmazonショッピング用のアカウントを利用して簡単に利用できます。服薬対象がお子様(18歳未満)の場合、お子様専用のプロフィールを登録することで利用可能です。
・薬局での待ち時間なし
自宅や外出先から都合の良い時間に予約を取り、薬剤師とのビデオ通話で服薬指導を受けられます。わざわざ薬局に足を運ぶ必要がありません。また、外出による感染リスクの低減にもなります。
・希望日時にお好きな場所で服薬指導を受けられる
ご希望の日時に自宅などプライベートな場所で服薬指導をオンラインで受けることができます。
・お薬の受け取りも安心で便利
Amazonの配送ネットワークなどを活用しご自宅へお届けします。配送状況がわかるので安心して利用できます。店舗受け取りも対応可能。
・登録・サービス利用料無料※
サービス登録料や利用料は無料です。
※薬剤料を含む患者様一部負担金および配送料は発生します。
<Amazonファーマシーを利用するデメリット>
・Amazonアカウントが必要
サービス登録料や利用料は無料ですが、Amazonアカウントが必要です。
・Amazonショッピングアプリのダウンロードが必要
アカウントをお持ちでも、モバイルブラウザ、デスクトップブラウザではご利用いただけません。
・病院受診後すぐに処方を受け取ることができない(店舗受け取り可能)
受け取り方法を配送にした場合、薬局側の発送手配の時間を含め、お手元に届くまで多少のお時間がかかります。すぐに処方薬が必要な場合は、店舗受け取りが可能です。
Amazonファーマシーの利用方法
それでは実際にAmazonファーマシーの利用方法について、手順を解説いたします。
事前準備
・「Amazonファーマシー」の利用準備
①Amazonショッピングアプリから「Amazonファーマシー」と検索する。
(もしくは、画面右下の三本線のアイコン(≡)をタップ>「カテゴリー別にショッピング」>「ドラッグストア&パーソナルケア」>Amazonファーマシーの順でも遷移します)
②画面がAmazonファーマシーのTOP画面に切り替わったら、「今すぐ始める」をタップ
③利用者のプロフィールを選択(作成)し、利用登録をする。
利用登録の際に必要な情報は下記のとおりです。
- 電話番号
- 健康保険証を含む公的書類に記載の氏名・生年月日・性別
これでAmazonファーマシーの利用登録は完了です。
・電子処方箋の取得
Amazonファーマーシーを利用するには、医療機関で診療を受けた際、処方箋を紙ではなく、「電子処方箋」で取得する必要があります。
医療機関にて受付の際に「電子処方箋利用の旨」をお伝えください。
※注意※ 医療機関によっては電子処方箋が発行できない場合もあるためご注意ください。
診療後、「処方内容(控え)」または6桁の引換番号を受け取ります。
※注意:※ 紙の処方せん(「処方箋」と記載)がある場合はAmazonファーマシーを利用できません。
画像参照元:Amazon.co.jp ヘルプ&カスタマーサービス 「Amazonファーマシーとは」
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=Tj6jyj2MIhDQwys91H
確認日:2025年1月24日
※電子処方箋の概要や受け取り方等の詳細については、厚生労働省のページにて公開されておりますのでご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/denshishohousen_kokumin_00013.html
Amazonファーマシーで処方薬を受け取るまでの流れ
処方薬を受け取る流れは3ステップで完了します。
① Amazonショッピングアプリで薬局を選択し、処方せん情報を提供
② ビデオ通話で服薬指導を受ける〜会計
③ 処方薬の受け取り
個別に解説いたします。
① Amazonショッピングアプリで薬局を選択し、処方せん情報を提供
(Amazonファーマシーの利用登録が完了した上で)お届け先住所に近い薬局の一覧が表示されますので、ご自身でお好きな薬局を選び、服薬指導の予約を取ります。
予約時に電子処方箋の6桁の引換番号を入力します。
② ビデオ通話で服薬指導を受ける〜会計
予約時間にアプリからビデオ通話へ参加し、薬剤師から服薬についての説明を受けます。
お支払いは、Amazonアカウントに登録した方法で決済されます。
※注意※ 通話終了後のキャンセルは不可になります。ご注文内容については通話中に薬剤師へご確認ください。
③ 処方薬の受け取り(配送/店舗受け取り)
「配送」の場合、最短で当日発送となりますので、お手元への到着は基本的には翌日以降になります。お急ぎの場合、もしくは配送料を抑えたい場合は「店舗受け取り」も選択可能です。
ビデオ通話の操作方法
全体の流れがイメージできたところで、オンライン服薬指導の「ビデオ通話」がうまくできるか心配・不安⋯という方もいらっしゃることでしょう。
Amazonのヘルプに記載されている「ビデオ通話」の流れを以下に引用しておきますので、ご参考ください。
- 下記いずれかの方法で服薬指導予約を表示します。
・AmazonショッピングアプリからAmazonファーマシーを開き、該当のプロフィールにサインインします。トップ画面に直近の服薬指導が表示されます。
・(SMSでの通知をオンにしている場合)服薬指導日時の3分前にSMSで通知されます。SMS通知内の予約の詳細と書かれたURLをタップすると該当する服薬指導予約の詳細ページが表示されます。- 参加をタップします。
- カメラとマイクの使用についてメッセージが出ます。許可をタップします。
- プレビュー画面が表示されます。
- 自分の顔が画面に映っているか確認し、緑色の通話ボタンをタップします。
- 薬剤師がビデオ通話に参加するのを待ちます。
- 薬剤師から服薬指導を受け、支払い金額・配送方法または受け取り方法・配送料について確認・同意します。
- 服薬指導終了後、画面左下の赤色の終話ボタンをタップしてビデオ通話から退出します。
引用元:Amazon.co.jp ヘルプ&カスタマーサービス 「服薬指導を受ける」
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?ref_=hp_left_v4_sib&nodeId=TUSSDPiyQfIc9vKgLx
確認日:2025年1月24日
出品者視点(薬局)のメリットと参加資格
続いて、薬局様でAmazonファーマシーの活用を検討中もしくはお悩みの方に向けて、薬局側の視点によるメリット・デメリット、利用資格、利用の流れについて解説をいたします。
出品者視点のメリット
・Amazonによるサポート体制
初めて導入する方でも操作できる設計になっており、Amazonのサポート体制が整っている。
アカウント開設後にログインできるセラーセントラル(管理画面)には、ヘルプや各種マニュアル、問い合わせ窓口へのアクセスがまとまっているヘルプページが用意されています。
参考:Amazon ファーマシー プログラムポリシー
https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/GVN4DEFUD32G8CPD
確認日:2025年1月27日
・新規顧客(患者)の獲得
Amazonプラットフォームの集客力を活用し、オンラインで新規顧客(患者)を取り込める。
・立地に左右されない
前述の新規顧客(患者)の獲得につながりますが、立地条件に左右されず、病院で受診した地域を超えて、幅広いエリアにアプローチできます。
出品者視点のデメリット
・配送対応や受注管理が必要になる
オンライン服薬指導ならびに処方薬の発送対応が必須になります。参入する場合には、まずは実施できる体制を整える必要がございます。
また、オンライン服薬指導のスケジュール管理、処方薬の発送管理といった、対面では発生しなかった業務が必要となります。
・電子処方箋の導入率の低さ
現状、医療機関による電子処方箋の導入率が6.3%と伸び悩んでいる状況です。Amazonファーマシーの利用には「電子処方箋」が必要になるため、利用者・出品者である薬局共に、利用したくてもできない状況が起こり得るでしょう。
政府の動きに委ねられる側面もありますが、Amazonというプラットフォーマーによる参入によって、「電子処方箋」の導入促進や認知度の向上が図られることに期待したいものです。
参考:「電子処方箋」導入率依然低く 目標達成時期見直しへ 厚労省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250122/k10014700281000.html
確認日:2025年1月27日
(薬局向け)利用資格
薬局によるAmazonファーマシーの導入にあたり、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 日本国内に所在する法人が運営する薬局店舗であること。
- 薬局開設許可及び保険薬局の指定を有効に保持している薬局店舗であること。
- 電子処方箋に対応していること。
詳細は下記のURLのセラーセントラル内ヘルプページ「Amazon ファーマシー プログラムポリシー」よりご確認ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/help/hub/reference/GFHLE2RSYYK3AX7Q
(薬局向け)利用開始の流れ
利用資格を理解したところで、実際にどのような流れでアカウント開設や服薬指導を実施するのか、解説いたします。
アカウント開設の流れ
①お問い合わせ
Amazonの専用公式フォームから必要情報を記入しお問い合わせを行います。
②契約締結
後日、Amazonより契約に関するメールが届いたらAmazonと契約を締結します。
③アカウント開設
Amazonセラーアカウントを開設し、薬局の登録を行います。
注意点としては、Amazonファーマシーでは、専用のAmazonアカウントを別途作成する必要があります。
現在お持ちのアカウントがある場合は、これまでAmazonに登録をしたことがないメールアドレスにて新たにアカウントの作成が必要です。
④初期設定
サービス開始に向け薬局情報等の登録設定を完了します。
(薬局向け)オンライン服薬指導の流れ
①予約受付
セラーセントラルで服薬指導情報を確認し、「受付・印刷する」をクリック。
②服薬指導準備
購入者よりアップロードされた処方箋を基に調剤準備を行い、「服薬指導準備完了」をクリック。
③ビデオ通話での服薬指導
利用者とビデオ通話を通じて服薬指導を実施し、注文を確定。
④梱包・出荷または店舗引き渡し
処方薬を梱包して配送するか、購入者が店舗に来店して直接受け渡します。
(薬局向け)よくある質問
Amazonのセラーセントラルのヘルプページからよくある質問を抜粋いたしました。
下記以外の質問につきましては、こちら(Amazonファーマシーに関するよくある質問)をご参照ください。
※回答内容は更新される場合があるため、解決が必要な場合は必ずAmazonヘルプページをご確認ください。
突発的な事情(薬剤師の病欠、自然災害など)で、服薬指導を行う時間を短縮することになりました。Amazonファーマシー上ではどのように対応すればよいですか?
突発的な事情(薬剤師の病欠、自然災害など)で服薬指導を休止する場合は、休止設定でその日を休止日にすることができます(ただし、一部の時間帯のみ休止することはできません)。
休止日にする際、その日にすでに予約された服薬指導がある場合は予定通り服薬指導を行うか、服薬指導を行うことができない場合は、購入者にその旨を連絡してキャンセルしてください。
キャンセルした場合は、その日時に購入者は新規に予約を入れることはできません。
容器代などの請求はできますか?
はい、可能です。
容器代などの保険適用外の費用の請求を行うには、該当する服薬指導の詳細ページにアクセスし、金額および配送情報の入力画面で「保険外自己負担額」に税込金額を入力してください。
店舗の薬剤師またはスタッフが購入者の住所へ処方薬を直接、届けることは可能ですか?
はい。直接、購入者の住所へ処方薬を届けることは薬局の判断で可能です。
この場合、店舗の手順書などに従い対応してください。
なお、配送料を購入者に請求するかどうかは薬局で判断してください。
また、直接、購入者の住所へ処方薬を届けた後、セラーセントラルで出荷通知の送信が必要です。
出荷通知の送信の手順は、処方薬の出荷作業または店頭引き渡しの自社手配した配送業者による配送に従ってください。
購入者が薬局を検索する際、どのような順番で薬局が表示されますか?
デフォルトでは、購入者が検索している時点でお届け先住所として設定している場所に近い薬局から順番に表示される仕様になっています。
まとめ
本記事のポイントは下記のとおりです。
《ユーザー》
薬局に行く手間を省けるだけでなく、プライベートな場所で安心してオンラインによる服薬指導を受けることができ、処方薬を自宅で受け取れる便利で画期的なサービス《出品者(薬局)》
効率的な業務運営と新たな顧客層の開拓を期待できる
初めて利用する方でも簡単に操作できる設計や、Amazonのサポート体制が整っている点も魅力の一つ
購入者と出品者の双方にとって多くのメリットがあるAmazonファーマシーを、ぜひご活用してみてはいかがでしょうか。
今回の記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました
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