【保存版】Amazonセラー必見!抑えておきたい「ビジネスレポート用語」を解説
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Amazonで商品を販売している方であれば、ほとんどの出品者様はAmazonセラーセントラル内の「ビジネスレポート」をご覧いただいたことがあると思います。
そこで質問です。
ビジネスレポートで使用されている「用語」について、どの程度理解されていますか?
改めて考えてみると、「実は理解が十分でなかったかも⋯」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそのような方のために「ビジネスレポートの用語」について解説いたします。
売上の基本となるアクセス数・注文数・転換率・平均単価の種類やカウント方法・計算方法について、簡単に解説していますので、用語を理解していない方はもちろんのこと、理解されている方も今一度確認する機会になるはずです。
用語が意味する正しい条件を知ることは、評価や効果検証を正しく実施できることに繋がります。
ビジネスレポートの見方がイマイチ分からない出品者様、Amazonをはじめたばかりの出品者様にはチェックしていただきたい内容となりますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。
目次
売上の方程式
- 売上=アクセス数×転換率×平均単価
- アクセス数=インプレッション数×クリック率
- 転換率=注文数÷アクセス数
- 平均単価=売上÷注文数
ECを運営していると、上記のような「売上方程式」を目にするケースは非常に多いです。
売上とは言葉の通り「注文された商品の総額」を指しますが、実は売上方程式を構成している「アクセス数」や「注文数」のカウント方法はECモールによって差があります。
そのため、各項目が一体どのような基準でカウントされているかによって転換率や平均単価が変動するため、正しく評価するためには基準を知る事が重要です。
本記事では、「アクセス数」「転換率」「平均単価」について、Amazon出品者様にぜひ知っていただきたい、Amazonにおける基準を現役コンサルタントが解説しております。
ビジネスレポートのアクセス数
アクセス数のポイントは「同じ人が複数回アクセスした際にどのようにカウントするか」です。
Amazonビジネスレポートでは「セッション」「ページビュー」の2種類で確認できます。
<セッション>
子ASIN単位でカウント。
24時間以内であれば、何度アクセスしても原則1人1カウントとする。
<ページビュー>
子ASIN単位でカウント。
1人が何度アクセスしても、アクセスした回数全てカウントされる。
セッションとページビューの違い(特徴)
<セッションの特徴>
商品ページにその日何人訪れたのか確認できるため、イレギュラーがなく結果が明快です。
一般的にアクセスの指標として採用されやすい傾向がございます。
<ページビューの特徴>
ページビューはリロードもカウントアップ対象となるため、顧客の通信状況によるリロード・管理者の複数アクセスなど、イレギュラーなアクセスもカウントされます。
セッションと比較すると多く見えやすい傾向がございます。
セッションとページビューの使い分け
アクセスの指標としてはイレギュラー(ノイズ)の少ない「セッション」を基準とする事を推奨いたします。
一方で「ページビュー」はどのようなシーンで活用できるのかといいますと「再訪問率調査」で活用することができます。
例えば、セッションとページビューの差が大きい場合は、1日の間に「アクセス→検討→再訪問」といった行動を取る顧客が多くなっている可能性が考えられます。
このような場合、商品毎に「ページビュー ÷ セッション」で計算できる「再訪問率調査」を行うことで、施策や検証のヒントになるケースもございます。
※再訪問率調査を行う場合、管理者が明らかに何度もアクセスを行った日やビッグセール前後などイレギュラーが考えられる日は集計から外すことを推奨いたします。
補足:子ASIN単位のカウントとは?
「子ASIN」とは商品管理(選択肢も含む)の最小単位を意味します。
例:【お茶】商品ページ内の選択肢 <200ml/500ml> = 子ASIN数:2
【Tシャツ】商品ページ内の選択肢 <ブラックM/ブラックL/ホワイトM/ホワイトL> = 子ASIN数:4
同じブランドやショップの商品であっても、子ASINが異なる場合は新たなアクセス数としてカウントされます。
以下をご参考ください。
<異なる商品ページのクリック>
異なる商品ページでがクリックされた場合、セッション数は「2」となります。
▼イメージ図
<同一商品ページ内>
バリエーション内の商品がクリックされた場合、新たなアクセス数としてカウントされます。
よって、下記イメージように「コンディショナー」「シャンプー」がクリックされた場合は、セッション数は「2」となります。
▼イメージ図
ビジネスレポートの注文数(コンバージョン数)
注文数のポイントは「同時注文をどうカウントするか」です。
Amazonビジネスレポートでは「注文品目数」「注文商品点数(ユニット)」の2種類で確認できます。
<注文品目数>
注文された品目数(商品)を1注文とカウントする方法です。
<注文商品点数(ユニット)>
注文された商品点数(ユニット)を1注文とカウントする方法です。
▼イメージ図
品目数と商品点数(ユニット)の違い(特徴)
<品目数の特徴>
例えば法人注文などで、同じ商品(ASIN)が100個注文された場合はコンバージョンとしては「1」とカウントされますが、仮に法人注文で100品目(100ASIN)を一気に注文された場合はコンバージョンは「100」とカウントされます。
<商品点数(ユニット)の特徴>
購入された数だけカウントされるため、同時に同じ商品(ASIN)が大量注文されても、異なる商品が同時に大量注文されても、全てコンバージョンとしてカウントされます。
品目数と商品点数(ユニット)の使い分け
一般消費者(toC)中心に展開されている場合、複数購入も成果として考えるケースが多い傾向があるので、「商品点数(ユニット)」を基準に検証する事が多いです。
法人注文など同じ商品のまとめ買いが多く、結果的に検証データにノイズを感じる場合は、「品目数」での検証がオススメです。
また、2個購入したら〇%OFFなど複数購入の施策を実施する場合、「商品点数(ユニット)÷品目数」で、同じ品目の「複数注文率」の算出ができますので、施策の実施前後での比較で効果検証が可能です。
補足:ビジネスレポートでは決済単位・注文番号単位の指標は存在しない
上記画像の例ですと、「1決済(注文番号)で2品目を5ユニット購入している」事になります。
ただし、ビジネスレポートには「複数品目の同時注文(決済単位・注文番号単位)を1としてカウントする」指標は現在のところありません。
また、ビジネスレポートでは注文番号数や注文人数の確認ができないため、複数商品の同時注文率(クロスセル)の検証は行う事ができません。
詳細は後述いたしますが、2品目以上でのクロスセルで平均単価向上を狙っても、上記仕様によりビジネスレポートの平均単価には反映されません。
ビジネスレポートの転換率
転換率の計算方法は「転換率=注文数÷アクセス数」ですので、ポイントは「注文数・アクセス数にどの指標を採用するか」です。
Amazonビジネスレポートでは「ユニットセッション率」「注文品目数セッション比率」の2種類で確認できます。
<ユニットセッション率>
注文された商品点数(ユニット)÷セッション数
<注文品目セッション比率>
注文品目総数÷セッション数
ユニットセッション率と注文品目数セッション比率の違い(特徴)
<ユニットセッション率の特徴>
ユニットセッション率は、注文された商品点数(ユニット)を1つの成果として考えます。そのため、ビジネスレポート上の成果としては最も大きい数字になるため、転換率は最も高く表示されます。
<注文品目数セッション比率の特徴>
注文品目数セッション比率は、1回の決済で注文された品目数を1成果として考えます。そのため、同じ商品を複数購入された場合、ユニットセッション率と比較すると数字が小さくなり、転換率は低く表示されます。
※同じ商品の同時注文が少ない場合は、大きな差は出ません。
例えば、以下注文に至るまでに、100セッションあったと仮定して2種類の転換率を計算します。
▼イメージ図
▼ユニットセッション率
注文された商品点数(ユニット)【5】÷セッション数【100】=5%
▼注文品目数セッション比率
注文品目総数【2】÷セッション数【100】=2%
上記のように、先に説明した通り、同時注文されている場合は「ユニットセッション率>注文品目数セッション比率」となります。
ユニットセッション率と注文品目数の使い分け
コンバージョン項目で記載した内容と重複しますが、一般消費者(toC)中心に展開されている場合、複数購入も成果として考えるケースが多い傾向があるため、「ユニットセッション率」を基準に検証する事が多いです。
法人注文など同じ商品のまとめ買いが多く、結果的に検証データにノイズを感じる場合は、「注文品目数セッション比率」での検証がオススメです。
補足:Amazonビジネスレポートにページビューに対する転換率の指標は存在しない
ページビューに対しての転換率を知りたい場合は、以下計算を手動で行う必要がございます。
・注文された商品点数(ユニット)÷ページビュー数
・注文品目総数÷ページビュー数
ビジネスレポートの平均単価
平均単価の計算方法は「平均単価=売上÷注文数」ですので、ポイントは「注文数にどの指標を採用するか」です。
Amazonビジネスレポートでは「平均売価」「品目あたりの平均売上」の2種類で確認できます。
<平均売価>
売上÷注文された商品点数(ユニット)
<品目あたりの平均売上>
売上÷注文品目総数
平均売価と品目当たりの平均売上の違い(特徴)
<平均売価の特徴>
平均売価は、売上合計に対して注文された商品点数(ユニット)で割るので、単価の高い商品が購入されると上がる性質があります。
<品目あたりの平均売上の特徴>
品目当たりの平均売上は、売上合計に対して1決済で注文された品目数で割るので、同じ商品を複数購入されると上がる性質にあります。
※同じ商品の同時注文が少ない場合は、大きな差は出ません。
以下注文で平均単価を計算してみます。
▼平均売価
売上【10,654円】÷注文された商品点数(ユニット)【5】=2,130円
▼品目あたりの平均売上
売上【10,654円】÷注文品目総数【2】=5,327円
上記のように、同時購入がある場合は「品目あたりの平均売上>平均売価」となります。
平均売価と品目あたりの平均売上の使い分け
平均売価は「高い商品が購入されたら上がる」ため、平均単価アップの施策として、高額商品への誘導の検証に効果的です。
品目あたりの平均売上は「同じ商品を複数購入されたら上がる」ため、平均単価アップの施策として、まとめ買い誘導の検証に効果的です。
補足:売上の方程式は指標を合わせる必要がある
「売上=アクセス数×転換率×平均単価」の方程式に当てはめて販売戦略を立てる際は、注文数(ユニット/品目)とアクセス数の指標を揃えないと計算結果が変わってしまい、目指すべき目標値の設定にズレが生じますので注意が必要です。
下記の図のように、注文数とアクセスの指標は ” 揃えて” から数値の変動の確認をしていきましょう。
NG例で示しているように、指標がバラバラの状態で数値の分析を進めてしまうと、改善計画がうまく立てることができません。
例えば、セッション数は減っているものの、ページビュー数が増えて、転換率(ユニットセッション率)が向上した結果、売上は変わらなかったという事象が発生していたとします。(もちろん、ページビューに対しての転換率は下がっています。)
計算式に当てはめていただくとわかりますが、ページビュー数が増えて転換率(ユニットセッション率)が向上すれば、売上が上がるはずです。にも関わらず、売上が上がっていないのは、つまり「売上=アクセス数×転換率×平均単価」が成り立っていないことになります。
この例の場合、次月の課題が「セッション数を増やすこと」もしくは「ページビューに対しての転換率の向上」となり得ますが、指標がバラバラであることで本来の課題に気が付くことができなくなってしまいます。
数値分析に指標を用いる場合には、必ず指標を揃えることを心がけて行うようにしていきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事をまとめますと以下の様になります。
- 売上方程式に使われている指標はカウント・計算方法によって評価が変わる
- Amazonビジネスレポートのアクセス数/注文数のカウント方法は2種類ずつ存在する
- Amazonビジネスレポートの転換率の計算方法は最大4種類存在する
- Amazonビジネスレポートの平均単価の計算方法は2種類存在する
- 売上方程式に当てはめる際は、アクセス数・注文数の指標を統一する必要がある
Amazonビジネスレポートには年々指標が追加され便利な反面、正しく評価するためには、正しい基準を知る事が重要となります。
施策の効果検証でお悩みでしたら、まずはお気軽にAmazon専門コンサルのアグザルファまでご相談ください!
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